「なんだよ、あれ。どーゆー意味?」
となりに突っ立っている大淀がつぶやいた。
わたしにだってわかんない……よ。
そもそも樹仕事は?
関西にいるんじゃないの?
どうして二人で会ってるの?
今のは……
なんて言って鍵を渡したの?
『うちに来ればいいから』
『一緒に暮らそう』
そういうことを言ったの?
呆然とするわたしの目の前で、樹は彼女をうながし、二人して向こうへと歩きだす。
駅ではなく、たぶん樹の部屋がある方向へと。
「上野、お前何か言ってやれよ」
「…いい」
心配そうにこっちを見る大淀に、つっけんどんな言葉をぶつけて、くるっと踵を返した。



