「へー」
とか言いながら、大淀は角を曲がらずに駅への道をついてくる。
「えっ、本屋さん行かないの?」
「…今日は、駅前の本屋」
ムスッと、大淀は答えた。
あ、そっか。やっぱ向こうのはつぶれちゃったのかな?
そんなに都会の駅でもないけど、駅前ともなればさすがに店舗も多くなる。
去年再整備された舗道には、レンガっぽい色の敷石が敷きつめられ、街路樹が等間隔に植わっていて、ちょっといい感じなんだ。
その通りに沿って飲食店やブティックが建ち並ぶ。
「あそこのカフェ、樹とよく行くよ。ランチが意外とイケてるから、大淀も今度行ってみたら……」
カフェの10メートルほど手前で、大淀相手にそんな説明をしていたら、不意に入口のドアが開いた。
え……?



