その週末の日曜日――。
部活終わりに樹と会うことになっていた。
2時頃
《練習終わったよ》ってメールしたら、
《じゃコロンで待っとく》って返信が来た。
コロンっていうのは最近できたカフェの名前。
学校からも、たぶん樹の部屋からも近い小さなカフェで、ランチがおいしいから、よく待ち合わせに使うんだ。
制服姿で店に着き、扉を開けて店内を見渡すと、樹はもう来ていた。
窓際の席で新聞なんか広げてる。
「それ、おじさんっぽいよ」
近づいて行っても全然気づかずに、熱心に新聞を読んでいるから、樹の肩をちょんとつついた。
「えっ」
初めてわたしに気がつき、驚いて顔をあげる樹。
「おう」



