「お姉ちゃん、こっちこっち」
「あ、うん」
つられてその隣に乗り込んで
さらにお母さんが乗ろうとしたら
「あ、お母さんは前へどうぞ」と制して、樹がわたしの横に乗ってきた。
わ、隣だ…!
「いや、お前が後ろに座りなさい」
なのに何を思うのか、お父さんがお母さんに命令を下す。
「いいって、これで! 中年小太りは二人で前に座ってよね、狭くなるから」
すかさず明穂がそう言ったので、結局二列目はお父さんとお母さんが並んで座った。
ナイスだ、妹。
(ホントはわたしも前へ行ってあげたいんだけどさ、悪いね)
なんて明穂が耳打ちしてきた。
ぬ? こいつかなり出来る…。



