気味の悪さよりも恐怖のほうが先にたつ。
美里さんは大丈夫なんだろうか?
いや、大丈夫なわけないか……。
「いつものクリニックにも警察にも、わたしたちがついていくから。ねっ、祐二」
「おう、まかせとけ」
祐二さんが美里さんの頭をクシャッと撫でて、わざと元気な声を出す。
「んじゃあ、俺行くわ」
そんな三人に樹が声をかけた。
ずっと香美さんに肩を抱かれてうつむいていた美里さんが、その声に反応する。
「ゴ、ゴメンね、樹。……ありがとう」
「お」
無理につくった美里さんの笑顔は、まるで泣き顔そのもので。
「俺なんにもしてねーし」
それに応える樹の顔ったら……。
あんなに笑ってばっかの彼が、うまく笑えずにいるのがまるわかりだった。



