それから警官はこう続けた。
「事前に署に来て相談いただいていて本当によかったです。通報を受けて躊躇なく出動できましたから」
「ああ」
そう答えたのは樹だった。
「間一髪でした。あと少しでも出遅れていたら取り返しのつかないことに……」
重々しい警官の口調。
樹の視線が美里さんの首元にとまる。
赤紫に、人の手の形が痕になって残っていた。
「お前……絞められたのか?」
ハッとしたような樹の声。
美里さんの返事は言葉にならなかった。
「ちなみにご主人は殺人未遂の現行犯逮捕です」
そう告げた警官に、樹が怒鳴りつける。
「もう“ご主人”じゃねーからっ」
普段穏やかな樹には、めずらしいこと。



