朝が待てなくて


車から降りて美里さんの元へと駆け寄る樹。


わたしも続いて飛び降りたけど、
どうしていいのかわからなくて、数歩離れて突っ立っていた。




警官が一人走ってきて


「奥さんも署にご同行願えますか? 事情聴取や、出されるのなら被害届の受理等ありますんで」


と告げた。




「あ……あたしは……」


蒼白な横顔。


美里さんの声が震えている。


声だけじゃない。


寒いときみたいに、体全体がカタカタと震えていた。




「落ち着いてからでもいいだろ」


樹が若い警官に言った。


「そうですね。ケガもされてるようですし、病院で手当てを受けてから、出頭いただければ大丈夫です」