ちょうど樹の会社の前に着いて、わたしは足をとめた。 横を振り向いた大淀を真っ直ぐに見あげる。 「あのね、ありがとう……。いろいろ、いっぱい」 「うん。俺も」 大淀は優しい目をして笑ってくれた。 「がんばれよ」 「うん……!」 振り向かずにそのまま歩いていく大淀の背中を、いつまでもわたしは見送っていたんだ。