「じゃあ俺、乗客の真琴をナンパするんだ?」
「ちがうちがう! ずうっとわたしが片想いしていて、ある日思いきって手紙を渡すんだよ。バスを降りるとき」
「で、『実は俺も好きでした』…とか言うんだ?」
「言わないよ! 樹は『あー、ほんじゃあ、つきあっちゃう?』って言うんだよねー」
「軽っ!」
と樹がズッコケた。
だって、リアルにそんな感じだったもん、わたしたちの始まりって……!
それからしばらく二人でとりとめのない話をして、ずっと笑ってた。
ケンカして気まずくなってたのがウソみたい……。
「ずうっと、こうして一緒にいられたらいいな」
ポツンとそう言ったのは、樹だった。



