朝が待てなくて


「あとで仕返しとか、ナシな」


「は、はい」


パッと、樹が腕を離すと、そいつらは一瞬のうちに浜辺を散っていった。




それから樹は怖い顔をして――


ゴツン、ゴツン、ゴツンと1発ずつ、
塩崎、中村、大淀の頭にげんこつを食らわせていく。




「オンナがいるときはケンカは買うな」


基本だ、バカ、とあきれ顔で言う。


で、一番ひどい顔になっちゃってる塩崎を見て、樹は苦笑した。



「それをこっちから売ってどーすんの?」


「けど、あいつら……」


「手を出すのは最終手段。後日オンナだけのとき出くわして仕返しされたらどーすんだ? その場にいないのに、守れるの、お前?」


塩崎が返事に詰まる。



「守りたいものがあるなら、ヘタに恨みを買うなって話。……わかった?」



コクン、とシオがうなずいた。