「こいつらに手出しすんのやめてくれる?」
腕をねじあげられ、身動きが取れなくなっている男に、息も切らさず樹は言った。
「離せ……っ」
男がわめいて腕を抜こうとするけれど、余計痛いのか顔をゆがめる。
他のやつらはもう立ち上がって樹を取り囲み、次々と罵声を浴びせてくる。
「折るよ?」
樹は相手の男にささやき、ねじあげた腕に力を入れた。
「ひ、ひぃっ」
悲痛な声が上がる。
「やめとく?」
今度は自分を取り囲むそいつの仲間たちに視線を向けて、樹は訊いた。
「や、やめろ……よ」
今にもつかみかかりそうな勢いだったくせに、全員もう戦意を失っている。
たぶん向こうも高校生だ。



