「さっきはいきなり襲ってきたくせに」
小さい声でそう抗議すると、
樹は「わはは」と照れくさそうに笑った。
それから、ちょっと考えながらつぶやく。
「ヤバかったな……。あの誕生日の晩、急いでなかったら俺、絶対真琴のこと抱きしめてたし」
そんな気持ちで来てくれたんだ……。
「へへ、お父さんに見られなくてよかったね」
「……マジそれな」
樹はコクンコクンと、5回くらいうなずいた。
「真琴――っ」
みんなのところに戻ろうと向かっていると、サホリンが走って呼びに来た。
血相を変えて、何だか様子がヘン。
「た、大変なの! 男子が知らない子たちとケンカになっちゃって」
「えっ?」
「相手は5人だから、やられちゃってる……!」
サホリン、半泣きだ。



