「お前も食っとけ」
樹がくれた塩アメを口に含んでいたら、彼はもう海へと歩き出していた。
2、3歩追いかけたてから足を止め、ちょっと迷ったんだけど、大淀に借りたTシャツを脱いだ。
走って追いつくと、樹はちらっとわたしの水着姿を見て、
それから……何にも言わなかった。シュン。
「真琴と海に来たのがバレたら、雫に泣かれるなぁ」
なんて樹が笑った。
「真琴お姉ちゃんとプールに行きたーいって、しょっちゅうせがまれてる」
「あは、去年はよく一緒に行ったもんね」
樹の可愛い姪っ子の雫ちゃんと甥っ子の陸クン。
「またつきあってやって」
と樹が言った。
「え、でも樹は仕事休めるの?」



