「樹、昨日仕事中ぶっ倒れたんだろ? 今、別のやつに聞いてビックリして、で、こーして電話してるわけ」
そう祐二さんは言った。
うそ……!?
「樹が、倒れた……の?」
「あれ? 聞いてない? 熱中症だったらしいんだけど」
聞いて……なくない。
樹、電話で言ってた。
体調悪いから、海、パスしていいか?って。
わたしは「困る」って言ったんだ。
そんなのウソで、美里さんに会いに行こうとしていると思い込んで……。
「祐二さん、今、樹と海に来てる」
「はぁ? 何ムリしてんだよ、あのバカ」
「ちがうの。わたしがムリさせたの」
そうだよ、わたしがムリさせた……。
祐二さんとの電話を切ってからしばらく、
眠っている樹の横で、わたしはじっと固まっていた。



