11時頃、樹から電話がかかってきた。 みんなが騒いでいて聞こえないから、輪から離れてドアのところで話す。 「樹? 仕事終わった?」 「おー……」 なぜだか樹、口が重い。 ん? 嫌な予感。 「あんな、真琴……」 「何?」 「えっとな、……今日俺、パスしたら困るか?」 は? 一瞬意味がわかんなかった。 「え、来れないの?」 「う……ん」 「何で? 仕事?」 泣きそうになって、あわてて部屋を出た。 みんなに聞かれたくない。