大淀の部屋は広くって、ベッドや机や書棚など黒を基調とした高級そうな家具が、センスよく配置されていた。
パソコンやオーディオ、ゲーム機なんかがまとめられたラックの前には、小さなソファーがあって、中村なんかもう我が物顔でそこを陣取って寝転がっている。
その横にみんなして輪になって、海で食べるはずのお菓子をさっそく広げて盛り上がっていた。
あ、ミャンマー、ちゃんと塩崎の隣りに座ってる!
何だかうれしいな。
みんなハイテンションで、修学旅行みたい。
確かに仮眠するって雰囲気はゼロだ。
「車で寝るからいいさ」
なんて言って大淀も輪の中に加わった。
いや、わたしは車では寝ないぞ。
ずっと樹の顔見とくもん……!