「ほめられるの苦手だよね?」
みんなで大淀の部屋に行き、フカフカのカーペットの上にカバンを並べながら、横にいた大淀に笑った。
「あ? 自分がやったんじゃないことは、ほめられたって知らねーの」
あはは、なるほど。
「トラック野郎いつ来んの?」
無遠慮に人の目を見据えて大淀が訊いた。
「遅くまで仕事みたい。終わったら電話くれるって」
「どうせ出発すんの夜中だろ? 朝向こうに着けばいいんだし」
「うん。2時に出たら向こうで朝日が見れるかなって言ってた。今からちょっと寝といたほうがいいよね?」
わたしがそう言うと、大淀はみんなの方に目をやって、あきれたように言った。
「ムリだろ、あいつら。遠足の前のガキみたいだ」