失踪した先輩の保証人になっていて、銀行にお金を返済しなくちゃいけないこと。
ひとりで3年間、樹はそれを返してきたこと。
それがまだ、あと3年分残っていること。
そのことがひっかかって、樹はお父さんやお母さんに、わたしとつきあってるって言えずにいること……。
そんな話をした。
はじめ「借金」って聞いたとたん、お父さんの顔つきが険しくなって、金額のこととかいっぱい訊かれた。
だけどわたし、ちゃんとしたことはほとんど知らなくて、
自分のわかる範囲のことを、一生懸命説明したんだ。
話し終わるとお父さんはもう穏やかな顔に戻っていて、
「樹クンも勉強中だな」と言った。



