「彼氏につかまってプカプカ浮いてるだけじゃダメだぞ。自分の力でしっかり泳ぎなさい」 「はい」 大学はどうするんだ? 恋なんかしている暇があったら、やるべきことをやりなさい、とか……言わないんだね。 それから、 樹の隣にいてもいい、って言ってくれた……。 すごく意外で、すごくうれしい。 すごく……がんばろうと思ったよ。 「あのね、お父さん」 気がついたらわたしは、樹の借金の話をお父さんに打ち明けていた。 こんなふうに言ってくれたのに、黙っているのは何だかフェアじゃないような気がして。