「真琴の目の前には、いろんな可能性が海みたいに広がってるんだ。それをほっぽり投げちゃうようなことをされると、親としてはやっぱり残念なんだよ」
なんて言う。
「別に、ほっぽり投げてないよ?」
「だったらいいんだ」
「うん」
「真琴にも行きたい場所があっただろ? やりたいこともあっただろ? 恋をすると、そんなことどうでもよくなっちゃうこともあるから、そういうのは嫌だったんだ」
「……うん」
ちょっと当たってる。
「樹クンの隣にいてもいいから、真琴がどんな方向目指して、どんなふうに泳いでいくのか、お父さんはやっぱり見てみたいな」
「…うん、わかった」



