「樹とつきあってること、お父さんは反対しないの?」 沈黙が苦しくなって、自分から恐るおそる訊いてみた。 「……するかもしれないな」 「え?」 「樹クンは、爽やかないい青年だと思うよ」 でしょ? そのうえ優しいし、カッコいいし、背も高いし、真面目だもん! 「問題はお前だ、真琴」 ボソッと一言、そう言われた。 「『彼がいたら他には何にもいらないの』なんて言ってくれるなよ」 ん……? 樹がいたら何もいらないよ? 「17歳になるのか…」 「うん」 若いなぁ、とお父さんはつぶやいた。