「ずいぶん待ってたんだぞ、彼」 わたしの動揺なんて気にせずに、そうお父さんは続けた。 「は?」 「1時間くらい、門の前に座ってたよ、樹クン」 え、え―――っ!? スウェットのポッケにつっこんだケータイを、あわてて取り出して履歴を見る。 ホントだ。1時間近く前にも、樹からメールが来ていた。 《真琴、寝てるか? 今、お前んちの前についたよ》 って。 それから何回か、電話ももらってたみたい。 わたしのバカ! 何で起きらんないの? 「困っちゃってなぁ……」 とお父さんは苦笑いをした。