ほんの数秒の間に、信じられないスピードで頭の中がフル回転する。
と、とにかく知らない人だって言おう。
うるさいから外に出てみただけだって。
樹とつきあってるなんて
結構話の通じるお母さんにだって言えずにいるんだ。反対されるのわかってるし。
その何百倍も頭の堅いお父さんが、許してくれるわけないもん。
めちゃくちゃ怒られて、引き離されるに決まってる。
そうじゃなくっても順調にいってないっつーのに……。
うー、絶対にシラを切りとおすっ!
意を決して顔を上げると、それを待っていたかのようなタイミングで、お父さんがボソッと言ったんだ。
「真琴は、樹クンとつきあってんのか……?」
へ?
た、た、樹だってバレてる……?
サ―ッと血の気が引いていく。



