朝が待てなくて


ドアを閉める前に、目が合う。


と、


上からグゥッと身を乗り出して、樹は指先でわたしの髪に触れた。




「もう泣くなよ」




え……




無理。




だって、優しい声――。




瞬時にウル目になったわたしを見下ろして、樹は小さく息をついた。


「泣かせてばっかだ」


それから
ドアを閉め、顔を前に戻し、樹は静かに車を出す。





涙でぼやけるトラックを見送ってから、キリッと空を見上げた。




日曜日、晴れろ……!