「ジャ、ジャマじゃないよ。みんなも樹に会いたがってるし。イ、イヤ? かな?」
あー、もう、必死さ丸出し…。
「やじゃないよ」
「へ? し、仕事は?」
「代わってもらうわ」
「え、いいの? ホントに? ホントに?」
ホントに? ホントに?
「どっち方面?」
と樹が訊いた。
「えっと……千葉の方かな? 日帰りだし、なるべく早い電車に乗って行こうって決めてる」
「ああ、高校生だもんな。誰かん家の車、ワゴンとか調達できるんだったら、運転してやるぞ」
「え、ホントに? ホントに?」
「夜のうちから走れば、結構水のきれいなとこまで行ける」
ま、調整しといて、って言いながら、樹は運転席に乗り込んだ。



