「お前がそんな熱くなってるとこ、俺は初めて見たぞ」


中村がやたらうれしそうに、大淀の頭を拳でグリグリやって、「うるせー」と蹴り返されていた。




えー、どうしよう。なんかおおごとになってきたような……。


戸惑った顔して固まってると、サホリンが笑った。


「これでいーんだよ。樹クンもちょっとはヤキモキすべきだ」


なんていたずらっぽく目くばせをする。


いやいや、樹、来るかどうかもわかんないし…。




部活がオフなので、わたしたちは次の次の日曜を海行きに決めていた。


それまでにわたしの誕生日があるので、そのときに会えたら、樹を海に誘ってみよう。




誕生日……樹は覚えていてくれるかな?