「無理じゃないよ。ミャンマーんちに泊まるって、もうお母さんには言ってあるもん」
まだ言ってないけど、そんなことを口走っていた。
「…………」
樹は黙って、じぃ…っとわたしを見る。
それからスローモーションでスコッと、わたしのおでこにチョップを食らわせた。
「…イタッ」
「スカートのホックをはずされただけで、泣き出しそうな顔したやつが、なに言ってんの?」
「な、泣きそうになんかなってない! あれは恥ずかしかっただけだし」
「だからさぁ、あれぐらいで恥ずかしいんじゃ無理だろーが」
樹がヒャヒャッと笑った。



