朝が待てなくて


そんな罰当たりなわたしに、樹は言った。


「車とってくるから、ここで待っとけ、な?」


「え、車って?」


「トラック。夜走るからどうせ出すし、家まで送ってく」



は?



「樹、今日は仕事ないって……」


「うん、急遽走ることになったんだ」


そんな……。




「き、聞いてないよ、そんなの」


思わずガバッと起きあがって言った。


「ああ、さっき電話で頼まれた。急な仕事らしい」


さっきの電話だ……。




「だけどっ、今日は朝まで一緒にいられると思ってたもん。どうして引き受けちゃうの?」


そうまくしたてたら、樹は目をまぁるくして、ポツンと言った。




「朝までとか……もともと無理だろ-が」