朝が待てなくて


「ゆるめたほうが楽だから」


そうささやくと、樹はわたしの腰のあたりに手を伸ばし、制服のスカートの鍵ホックをヒョイとはずした。


え―――っ?
な、なに、その手慣れた手つきは!?


スカスカになったスカートを押さえながら、思わず真上にある樹の顔を見あげて、口をパクパクとさせる。


「え?」


そんなわたしを見て、彼の顔が赤くなった。


「バ、バカ。ヤラシイことする気ねーぞ?」


「……し、知ってるよっ」


こんなところで、されるわけがない。




ヤバ……。


サッと顔をもとに戻し、樹の膝にうもれさせる。


貧血で顔面蒼白のはずが、たぶん今真っ赤になっちゃってるもん。