朝が待てなくて


昔、そんな映画を二人で観たっけ。


運命に引き裂かれても
どんなに離れ離れになっても
どうしてもどうしても、また惹かれあってしまう恋人たちの物語。


樹と美里さんの壮大なストーリーの中の、わたしはほんの脇役なんだ。


きっと、お邪魔キャラだ?


そんなことを思い知る。




頭が、クラクラとした。





店を出るとき、レジに向かって歩きながら、樹がちらちらっと美里さんの姿を探しているのがわかった。


彼女は入口付近の席で、こちらに背を向けて座っていた。


彼の目線がとまったことで、それを知る。


たぶんお母さんと妹さんだね、二人の楽しそうな笑顔がこっちを向いていた。


その姿を確認しただけで、樹は美里さんには声もかけずに店を出た。