「親は自分で食ってくれてるし、姉貴んとこに子供が生まれても、やれ初節句だ、七五三だって、ちゃんと祝い事だってしてやってるみたいだし。俺は何もしてねーもん」
「う……ん」
樹は説明してくれたけど、あんまりピンと来なかった。
「つまりな、俺、借金とかあるし全然ダメなやつだけど、それでも何とか自分の始末だけつけてりゃいいんだってこと。金がなくなっても、実家に帰れば何か食わせてくれるしさ」
「…うん」
「だけど世の中には、親の食うもんから、下の兄弟の学費まで、全部自分で背負っているやつもいるんだよ」
……美里さんのことだ。
「そ―ゆーやつからしたら、俺なんぞびっくりするくらい甘ったれで、うかつで、バカみたいに見えるらしいぜ?」
樹はちょっと困ったような顔をして見せた。



