え……?
DVってやつ……?
美里さんの顔が悲しくゆがむ。
「……離して」
もしもこの怪我がダンナさんに“手をあげられた”ものだとしたら?
殴られたか、蹴られたか、それとも大きな物を投げつけられたか、突き飛ばされて何かにぶつかったか……。
相当強い力が加わらないと、ああいうふうにはきっとならない。
胸が、ドキドキしていた。
「そういう面だけじゃないから……。わたしたち夫婦にしかわからないことがたくさんあるの。ホントは優しい夫だし」
見つめる目を、じっと見返すように彼女は言った。
優しい夫がこんなこと…できるわけないじゃん。



