朝が待てなくて


不安でいっぱいになったわたしの顔を見て、彼女はハッとしたみたい。


「えへへ。主人も優しい人だよ。樹とはタイプが違うけど、とっても優しいの、うん」


少し恥ずかしそうに目線を落とし、美里さんはそう言った。




「あ! くやしいから、さっき言ったこと樹には内緒にしといてね」


それから急に顔を上げて、いたずらっぽく笑う。


あ……。


その明るくて優しくて温かい笑顔が、誰に似てるのかわかっちゃった。


樹の笑い方にそっくりだった。





ちょうどそのとき、電話を終えた樹が戻ってきて、ちらっと美里さんを見てから自分の席に着いた。