朝が待てなくて


『何も起こらなくても、家がわかるだけで儲けもんでしょ?』


若干緊張気味のわたしにサホリンが笑ってくれたっけ。




そうだよね。


部屋に行ったからって何かが起こるとは限らない。


いや、わたし的には今朝のあの大人キスだけでもいっぱいいっぱいだったわけだし、部屋で二人っきり、ゆったりまったり過ごせたらそれだけで相当うれしい。






「ね、ここらにビクドンってあったっけ?」


何にも知らずに隣を歩く樹を見上げて、わたしはわざと訊いてみた。


「ん、駅の向こうの国道沿いのとこにあるよ」


「へぇ~、よく知ってるんだね」


「まぁ…な」




ミャンマー、ビンゴかも……!