やっと離れた樹の顔を間近に見上げて 「これは…夢?」 と訊いた。 途端に彼の目に表情が戻り、パッと腕を離すと「ぷはは」ってのけぞってシートに転がった。 ゴロッと背中を向けて肩を震わせ、でもゲラゲラと笑ってる。 「もぉ…何それ」 呆然としてつぶやくと、 「だって、何でお前が寝ぼけてんだよ」 なんてウケている。 「突然あんなことされてあせっただけだし」 恥ずかしくてポソッとそう言うと 「それは俺」 と言われた。 う…こっそりキスしたのバレてる。