朝が待てなくて


暑いのか、手足がにょきっと布団から出ていて


無造作に投げ出されたその手をそーっと触ってみた。


大きくて、大好きで、大切な手……。




指先をからませてもピクリともしない。


疲れてるんだもんね。
よく眠っている。




シートにちょこんと顔だけ乗っけて
樹の顔と向き合ってみる。


静かな彼の寝息がかかるくらいに近くて…


鼻なんかもうくっついちゃいそうだ。




うふ、樹、ひげ生えてるし。



勝手にからませた指先をほどいて、そのひげを軽くプニッと押した。


樹の短い無精ひげはチクッと痛い。


これ、伸びたらどんな顔になるんだろうね。