朝が待てなくて


事務所にも仮眠室があるらしいけど、入口のシャッターが下りたままだから、まだ誰も来ていない様子。


きっと樹はこのトラックの中で眠っている。


起こさないようにしてあげなくっちゃね。


生の樹の寝顔を見られるだけでうれしいもん。
早起きした甲斐がある。




運転席のドアの取っ手をつかんで、窓に貼りつくようにして中を覗くと、あれ? 樹はいない。


カーテンで仕切られた後ろの座席がベッドみたいに横たわれるようになってるから、きっとそっちかな?


ドアをガチャガチャとやってハッとする。


えー、ロックかかってるじゃん!




あわてて助手席側にまわってガチャガチャしてみたら、そっちはすんなりと開いてホッとした。


キーは抜いてあるけどちょっと不用心です。