「もう寝るし」 部屋の電気を消したとき、不意にウィーンと音が鳴り、ベッドの上でポチッと空色の点が光った。 樹からのときにだけ灯る色―― 身も心も駆け寄る感じで、それを取り上げると、メールではなく電話がかかっていた。 「は、はい」 上ずる声で電話に出ると 「…寝てたか?」 と、少し喉に引っ掛かるような低い声がした。 「樹…?」 「うん」 「起きてたよ」 「勉強?」 「うん、まぁ…」 「エライんだな」 なんて言う。