仕事柄どうせ家に戻れるのは週1くらいだし、破格の家賃に即決したらしいけど
果てしなく退廃的で不健全極まりない部屋だということで
ある日しつこく「樹の部屋に行きたい」て食い下がってたら
「真琴は絶対にあんな部屋には入れない」
って、ものすごく恐い顔をして断られた。
めげずに頼んではいるけどね。
「勝手に押しかけちゃいなよ」
サホリンがにっこりと微笑んだ。
「それが場所も教えてくれないんだよね。教えると来るってバレてるみたい」
へへへ…
三人で顔を見合わせて笑っちゃう。
「ラブホとパチンコ店か…。駅の向こうの国道沿いの辺りに何軒か並んでるけど」
地元民のミャンマーがあたりをつけてくれた。



