のは、気のせいだったらしく
「はは、ないね」
と大淀はケロッと笑った。
「兄貴達は本当に何でもできるんだ。勉強はもちろん、スポーツだって音楽だって語学だって…。できないことなんて何もない」
「ふうん。でも大淀だってかなりヤバいよ」
「レベルがちがう。どんなにがんばってもあの人達には追いつけない」
いつも冷めている大淀の言葉が、やけに力んで聞こえた。
ふーん…
「でも大型トラックは動かせないでしょ?」
「へ?」
「10トン車とかってすっごく大きいんだよ」
こーんなにって、わたしはバーンと両手を広げた。
「お兄さん、それ運転できないでしょ?」



