朝が待てなくて


何となく気まずくなって
その後二人とも黙って歩いていた。


樹の会社まではまだもうちょいある。


本屋さんはまだかな?




「大淀は…ホントはうちの学校来るような人じゃないんでしょ?」


思いっ切り話題を変えてみた。


「え、ああ…別に。…来るような人だよ」




私立の超名門校、いわゆるおぼっちゃま学校で、かつ有名大学への進学率がめちゃくちゃ高い進学校―


その受験の日、彼が途中でバッくれて帰っちゃったっていうのは、わたし達の間では有名な話。




「お兄さん達と同じは、やだったの?」


二人いる大淀のお兄さん達はその学校を卒業して、今はそろって日本一有名な大学へ通っているらしい。


わたしだったらそういうの、めちゃプレッシャーだもん。