「気ィ遣ったんだ?」
サホリンが大淀に笑った。
「あいつらマジ小学生レベルだからな。早くくっついちまえばいいのに」
呆れたように大淀がつぶやく。
「塩崎ってミャンマーのこと好きなの?」
思わず核心に迫った。
「訊くと否定する」
「お子チャマなんだよ」
横から中村が笑う。
「シオ、提出プリントやたらたまっててさ。俺らの写させろっつってわざわざ図書室まで連れてくんだぜ?」
「ん?」
意味がわからずにキョトンとすると、大淀が補足してくれた。
「窓からテニスコートが見えるんだ」
ああ、西棟2階にある図書室から見下ろせば、金網越しにコートは丸見えだ。



