朝が待てなくて


「んじゃ、俺らこっちだから」


「バイバーイ」


交差点でミャンマーと塩崎が、駅へ向かうわたし達とは別方向に歩き出した。


「大淀、早く来いよ」
「信号変わっちゃうよ?」


ミャンマーと塩崎と大淀は徒歩通学者で、学校からチャリ通の許可も下りないほどの地元民だ。みんな橘中出身で、家も近いんだとか。



「俺、本屋寄るから」


振り返って大淀待ちのミャンマー達にそう言うと、彼は横断歩道の手前で足を止めた。


「あっそー、んじゃな」


点滅している青信号を見てわぁわぁふざけながら、塩崎とミャンマーがぴょんぴょこ並んで駆けて行った。