朝が待てなくて


「甘くて瑞々しくてすっごく美味しいわよ」


とお母さんは言った。


「えっ、もう食べてんの?」


「うん、真琴の分もちゃんと冷やしてあるからね~」


「……」





樹、ちゃんとメールくれたんだ。


なのにわたしは気づかなくて…。


こんなに会いたかったのに
ずっと待ってたのに。





授業にやってきた英語の講師のひょろっこい先生を思いっきりにらむ。


塾なんて、つぶれてしまえばいい…!





家に帰ると、お母さんが冷蔵庫で冷やしていた梨をいそいそと見せに来た。


「ね、大きいでしょ?」


ホントにすっごく大きな梨だった。そういう品種なんだって。