朝が待てなくて


きっと車は景色のきれいな道を走っていて


だけど窓の外を眺める余裕なんて
わたしには全然なくて


ただひたすらに樹の横顔を見つめていた。




「俺な、真琴はまだほんの子供だと思ってたから、すぐにどうこうしようなんて考えはなくて

けど、毎年春になったら一緒に桜を見て
いつか大人になった真琴とつきあったりとかしたらどんなかな
なーんて軽く妄想はしてたぞ」


一瞬無邪気に振り向いて「キモい?」と笑った樹の笑顔に胸がキュウッてなる。






「ちゃんと…好きだから」



前を向いたまま
照れくさそうに言った樹の言葉が
胸にストンと落ちてきて
じんわりと全身に広がった――