「俺は…親にも友達にも見せたことのないようなみっともない姿、お前にはいきなりさらけ出しちゃってるからな」
そうぽつぽつと、樹はしゃべりだした。
「トラックで、そのまま崖に突っ込もうとしただろ?」
「ああ…」
あの日わたしたちは…ちょっと普通ではなかったんだ。
「魔が差したって…言ってたね、樹」
彼の横顔からはもう人懐っこい笑顔は消えていて、ひと言ずつ考えるように言葉にしていく。
「あんなふうに俺達が出会ったのも偶然だったし、魔が差したのも偶然だった。
でもな、あんなムチャしたのに二人とも無傷だったことだって、ただの偶然なんだよ」
どういう意味…?



