朝が待てなくて


「はぁ? 自分でわかんないのにわたしがわかるわけないじゃん」


文句を言っても、彼はクスクスと笑うだけ。






そうこうするうちに車は樹の実家があるマンションの下に停まった。


「おい陸、起きろ。おばあちゃんち着いたぞ」


寝入ってしまった陸クンを起こして手を引き、樹はヒョイと雫ちゃんを抱き上げた。


「真琴悪い、荷物持てる?」


「え、あ、うん」


みんなの水着やタオルが入ってるカゴと、ふくらませたまんまの浮輪。





樹の実家は9階だって。


エレベーターに乗り9階で降りると、廊下をてくてくとついて行く。


「おばあちゃん、ただいまー」


陸クンが先に駆け出し呼び鈴を押した。