「さっきのゴメンだって全然意味わかんなかったもん」 ポツンとわたしは言った。 「さっき?」 「焼きそばにらみながら、ゴメンって…」 「ああ…」 樹はフッと息を漏らした。 「あれはだな… 慣れない子守りなんかさせてゴメン 雫のことで泣かせてゴメン 初デートがこんなんでゴメン…って意味」 「ふうん」 「なのに真琴はイヤな顔しないで、こいつら可愛がってくれるし 雫を必死で探してくれるし ちょっとな…」 「…ちょっと何?」 「ちょっと……何だろ? わかんねー」 照れくさそうな笑顔がほどける。