朝が待てなくて


「真琴!」


不意に水の中から呼ばれる。


「ん?」


プールのへりまで近づいて行ってしゃがみ込むと、突然バシャッと水をかけられた。


「キャア、もぉっ!」


「あっはっはっは」



「お姉ちゃんは泳がないの?」

「樹の背中に乗っけてもらう?」



へ?


「乗るか?」


樹まで真面目に訊いてくる。


「の、乗らないよ」


子供じゃあるまいし…!




「何で入んないの?」


陸クンが不思議そうにわたしを見上げた。


「いーの、いろいろとあんだから…」


なんて樹がわたしの代わりに答えた。


え、生理日か何かと思ってる?