朝が待てなくて


朝、樹はお姉さんのココア色の軽自動車でわたしを迎えに来てくれて


そこには既に彼の甥っ子と姪っ子がちょこんと乗っかっていた。


5歳の陸クンと3歳の雫ちゃん。


樹に促されて恥ずかしそうにあいさつする二人は、とても可愛かった。




そして今

樹はその二人を背中に乗っけて悠々と泳いでいる。


ときどき、たぶんわざと二人を振り落としてはキャーキャーわぁわぁやっている。


樹に鍛えられているからか、二人とも水なんてちっとも恐れたりはしないんだ。




電話であんなに乗り気じゃなさそうだったくせに、樹はめちゃくちゃ楽しそうに笑っていて


でも、背中の二人はそれ以上に楽しく弾けそうな笑顔だった。